新紙幣のはじまりの日に思うこと

本日から新紙幣が流通するという。

世はキャッシュレス時代。
つい最近も、大阪万博に向けた「キャッシュレス・ピクトグラム事件」でいろいろと思いを巡らせたこともあったっけ。

 産官学でつくるキャッシュレス推進協議会は21日、電子決済のPRを目的に「ピクトグラム」として19日に公表したデザインを「図(ロゴ)」に改めると発表した。文字主体のデザインだったため、交流サイト(SNS)などで「分かりやすいが、絵や図で表現するピクトグラムとはいえない」と物議を醸していた。  

デザインは公募で決めたが、募集時の留意点の一つに「文字や文字と誤認する恐れのある図柄を含まない」と明記していたことも混乱に拍車をかけた。「最終的には分かりやすいことを重視して選んだ」(協議会の担当者)というが、早々に軌道修正した。

引用元: ピクトグラム改め「ロゴ」に 電子決済、文字主体で物議(共同通信) – Yahoo!ニュース

要するに現代は、現金を使う機会が減り、電子決済等でものやサービスの交換を行うことの過渡期にある。
そんな時代に「新紙幣発行か…」とワイドショーは騒ぎ立てている。

僕はキャッシュレス推奨派だ。
便利になるからということもあるが、地方が衰退する途上、現金をタンスに貯めておくことほど意味のないことはないと思うからだ。
過疎地はいま、地銀が潰れ、最近まで家にわざわざ積立の手続きをしに来てくれた銀行マンも来なくなった。
スマホも使いづらく、バーコード決済なんて難しいと考える層が銀行に行くには数10km先の支店まで足を運ばざるを得ない状況に陥いる。
そんなとき、大多数はタンスに貯めるのが必然だろう。

「近所」が遠い農村にあっては、夜中に物取りに遭っても気づく人間がいない。
警察署や交番も「下界」の街なかにあるので、通報しても10分以上の時間的余裕は物取りにはある。
つまり、家にカネがあることが明確な過疎地では、強盗の狩りやすい獲物になってしまう。
農村においては「勤勉・勤労・貯蓄」が何よりも重要で金回りも芳しくない。
都会の人が思う以上に蓄えはある。
僕としてはそうしたカネが回らなかったからこそ、今の経済状況に陥ってしまった一因があると考えているのだが、その一部がタンスに眠る。
試算では60兆円ものタンス預金が眠るという。
これは莫大だ。

さらにキャッシュレスの普及が遅れた地域は、インバウンド等、観光需要にも乗りにくい。
手数料の割合が高いという問題もあるだろうが、地域全体で考えてみれば、落とされるべき場所に金が落ちないので結局は地域全体で衰退していくことになる。
観光施設の入場料くらいは、電子決済の導入をしたらいいのに…といつも思う。
新しい500円玉がいつの間にか財布に当たり前のように存在するように、新紙幣もいつかは当たり前のものに見慣れてしまうだろう。
が、紙幣なんて久しぶりに見た!お釣りがない…なんて世界は、果たして日本に来るのだろうか…。

この記事を書いた人

名無しのユータ

「読書が趣味」という訳ではないし、遅読で読解力も低い。けれど、読書を続けることでモノを考える力がやっと人並みに得られると感じ、なるべく毎日、本を紐解いている。
趣味はランニング、植物栽培など。