「坂道探し」をしています

坂道を走る。
これは貴重なことではないか。
とくに、関東圏など平たい都市部に住む人間にとっては。

いま、僕の次の移住先が決まりそうだ。
茨城県の平野部に候補が上がっているのだが、グーグルアースとにらめっこしてもどう考えても坂道がなさそう。
僕のランニング練習の大半は、坂道を駆け上ることが占めている。
むしろ平地を走ると脚を壊すのだ。
もともと「登り坂耐性」があり、ゆっくりではあるけれど継続して坂を登れることに気がついたのは、トレイルランニングをはじめてからのこと。
それ以降、積極的に坂道を走るようになって、そろそろ2年くらいになる。

トレイルを走ることによって身体のバランスがリセットされることが多い。
普段使わない筋肉を駆使したり、バランスを取ることによって、走り方が矯正される。
ゆえに、定期的にトレイルに入ることがむしろ、僕の「怪我防止法」でもあったりする。

山が近くにある神奈川県は、比較的恵まれているのだろう。
群馬から神奈川県に越してきてからの1年間、僕は丹沢に大きく育ててもらった。
特に塔ノ岳へと続く「バカ尾根」なくして、いまの僕はないとも思う。
「ヤビツ峠」も「足柄峠」も素晴らしい坂道だ。
丹沢はハイカーも多く、人がいることで入山への安心感もある。
トレイルランニングを趣味とする者にとって、フラッと丹沢へ足を伸ばせることは、「鍛錬場」というある種の武器を得たようなものだろう。

仕事の都合などで関東平野に繰り出していったトレイルランナーはふだん、どんな練習をしているのだろうか。
過疎地域の労働条件が都市部とで乖離・分断していくなかで、意外と働き手において「坂道」という場所は遠いものになってしまうような気もする…。

どこに住むのか、家はどうするのかを考える前に、坂道探しをしている時点でイカれてはいる(笑)。

この記事を書いた人

名無しのユータ

「読書が趣味」という訳ではないし、遅読で読解力も低い。けれど、読書を続けることでモノを考える力がやっと人並みに得られると感じ、なるべく毎日、本を紐解いている。
趣味はランニング、植物栽培など。