野外レジャーは朝型が勝つゲームだ。
これは僕の長年の経験から導き出した結論である。
特に夏のこの季節、この法則は顕著に表れる。
家事が、子育てが…とあらゆる言い訳が思いつくが、朝早く行動できる集団は、きっちりと朝早くから行動ができている。
厳しい言い方をするが、家族や知人と出かける予定を計画し、移動を開始した時点でもう勝敗は分かれている。
これはゲームなのだ。
翌日の家事を如何に解消し、あるいは別日に移動することができるのか…。
それは事前の準備に関わることであり、計画性の有無に大いに関係する。
このゲームに一度負ければ、ゲームに勝ち続けている集団からは見放されるだろう。
なぜなら、朝早く目覚め、行動を開始することには多くの利点があるからだ。
まず、比較的涼しい気温が挙げられる。
夏の灼熱の日差しを避け、心地よい朝の空気の中で活動を始められるのだ。
また、天候も安定していることが多い。
突然の夕立や雷雨に悩まされる確率も低くなる。
お盆の時期など、人気の観光地はどこも混雑する。
そんな中でも、積極的に行動できる集団が結局は得をするのである。
まだ陽も出ていない時間帯であれば、高速道路もスムーズだ。
駐車場混雑待ちも開場時間に合わせれば、無駄なくクルマから降りることができる。
僕たちが早起きして目的地に到着する頃、のんびり派はまだ布団の中だろう。
最近の野外施設やイベントは、コロナ禍以降、以前ほど遅くまで営業していないことも多い。
屋台なども、かつてのように夜遅くまで賑わう光景はめっきり減った。
行政関連の施設は多くの場合、午後4時頃には全てが閉まってしまう。
客足が途絶えれば、施設も早々に閉まるだろう。
こうした状況下で午後1時から遊び始めたとしても、実質的な滞在時間はわずか3時間。
さらに、到着後すぐに食事をとろうものなら、残された遊戯時間は2時間に縮小されてしまう。
たった2時間で何ができるというのだろうか。
できれば朝の8時頃には現地に到着している心づもりでいたい。
朝早い時間帯は、どこか空気が清々しい。
訪れる人々の民度も概して高く、ゆったりとした雰囲気の中で過ごせる。
換言すれば、なぜ民度が高いのかも意味が分かる。
計画性があるからだ。
対照的に、夕方近くになると親族一同で大挙してやってくる外国人や酔っぱらいが増え、ピークには雰囲気ががらりと変わることも少なくない。
朝が早ければ、午前と午後の「2部制」として、計画も立てやすくなる。
例えば川遊びを楽しむ場合、朝早くから存分に遊び、正午頃にはお昼ごはんを取る。
そこから近隣の温泉に向かうという選択肢も生まれる。
時間の持ち札が多ければ、こうした柔軟な計画立案が可能になるのだ。
一方、午後から活動を始めると、選択肢は限られてくる。
何をするにも時間に追われる羽目になり、ゆとりある行動が難しくなる。
そこで何かしらのトラブルに巻き込まれでもすれば、せっかくの1日が台無しになってしまうかもしれない。
ゆえに僕は断言する。
野外レジャーは、朝早く起きられる家族こそが勝てるゲームなのだと。
これは単なる個人的な好みではなく、効率と満足度を最大化するための戦略なのである。
この法則を知らなければ、ずっとゲームに負け続け、損をする。
早起きは三文の徳と言うが、野外レジャーにおいては、その価値は計り知れない。